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コンピューターステレオレンズレスX線撮像

Nature Photonics 13, 7 doi: 10.1038/s41566-019-0419-1

人工の系や生物系の三次元(3D)特性を、低いX線量で復元することは、技術の大半が数百の二次元(2D)投影像の計算に基づいているので難しい。低X線量の要求は、超高速X線源を使った単一ショット3D撮像も妨げている。今回我々は、コンピューターステレオビジョンという概念をX線に応用できることを示す。ステレオビジョンは、機械視覚とロボティクスの分野で重要である。我々は、コヒーレントな回折パターンから、2つのX線ステレオ視野を再現し、視差マップから試料のナノスケール3D表現を計算している。コンピューターステレオビジョンアルゴリズムは、脳の視覚と同様に拘束を使う。我々は、位相差画像は、視差拘束をゆるめ、隠された特徴を明らかにできることを実証する。さらに我々は、ナノ粒子を標識として使うことによって、この技術の適用可能性を複雑な試料に広げることができることも示す。コンピューターステレオX線撮像は、X線自由電子レーザー、シンクロトロン、レーザーに基づくX線源、産業分野と医療分野の3D診断法に応用されるであろう。

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