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誘導ラマン励起蛍光分光法と撮像

Nature Photonics 13, 6 doi: 10.1038/s41566-019-0396-4

強力な光学ツールは、科学技術に大変革をもたらしてきた。蛍光検出は普及していて、単一分子に至る優れた感度を示すが、化学的情報が十分に得られない。これに対して、ラマン振動分光法は、分子構造、ダイナミクス、カップリングに関して化学的特異性が優れているが、感度が低いことはよく知られている。今回我々は、な優れた検出感度と化学的特異性を併せ持つハイブリッド型の誘導ラマン励起蛍光(SREF)技術を報告する。中間振動固有状態への誘導ラマンポンピングとその後の蛍光電子状態へのアップコンバージョンを通して、SREFは振動共鳴を蛍光発光の励起スペクトルにエンコードする。我々は、狭い振動線幅を利用することによって、細胞において多重SREF画像化を実証し、蛍光の「色障壁」破った。我々は、SREFの優れた感度を活用することによって、フォトニクスにおける長年の目標であるプラズモン増強を用いない全遠距離場単一分子ラマン分光法と撮像を実現した。従って、ラマン分光法と蛍光分光法の融合を通して、SREFは化学や生物学に役立つツールになると思われる。

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