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高性能有機発光デバイス用の金(III)錯体の合理的設計に向けての戦略

Nature Photonics 13, 3 doi: 10.1038/s41566-018-0332-z

金(III)錯体は、高輝度フルカラーディスプレイの有機発光デバイスにおいて、りん光ドーパントとして魅力的な候補である。しかし、そうしたデバイスの安定性に関するデータは、これまで報告されていない。今回我々は、合理的な分子設計と合成を通して、空色から赤色の間で発光色を調節できる新種のシクロメタル化金(III) C^C^N錯体を得ることに成功した。この錯体は、固体薄膜において最高80%という高いフォトルミネッセンス量子収率、優れた溶解性、高い熱的安定性を示す。この錯体を利用した有機発光デバイスの外部量子効率は、溶液プロセス法によるデバイスで11.9%、真空蒸着法によるデバイスで21.6%であり、初期輝度100 cd m−2で動作時の輝度半減寿命は最長で83,000 hであった。

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