Article

1Dから2Dへの変換を介した350 kHz変調器による複雑媒質中の波面成形

Nature Photonics 13, 11 doi: 10.1038/s41566-019-0503-6

この数年間、複雑媒質における光の伝搬と相互作用の制御が大きな関心を呼んでいる。残念なことに、空間光変調デバイスには速度が遅いという欠点があり、生体組織の撮像などの実時間応用が妨げられている。我々は、この重大な問題に取り組むため、高速一次元(1D)空間光変調器の使用と、分析対象と同一の媒質で行った1Dから2Dへの変換に基づいて、複雑媒質の特性を評価する位相制御法を導入した。我々は、自由度が1088で、変調周波数が350 kHzのマイクロエレクトロメカニカル回折格子ライトバルブを使って、このコンセプトを実行し、これによってこれまでにない高速の波面測定が可能になった。我々は、透過行列を連続的に測定し、最適波面を計算するとともに、動的に散乱するさまざまな試料を通して焦点を実時間で投影し、その全てをサイクル当たり2.4 ms以内に行った。こうした結果は、これまでに実現された波面成形の変調速度を1桁以上改善し、1Dから2Dへの変換を使った光学処理の新たな機会を開く。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度