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2つの独立した光時計の1秒で4.8×10−17の安定性の実証

Nature Photonics 13, 10 doi: 10.1038/s41566-019-0493-4

光原子時計は、超狭線幅時計遷移の分光を行うという課題のために、光コヒーレンスが極めて高い局部発振器が必要である。従って、レーザー安定性の向上によって、時計精度の急速な進歩が可能になっている。最近、低温シリコン参照共振器に基づく新種の超安定レーザーによって、これまでで最長の光コヒーレンス時間が実証された。今回我々は、そうした局部発振器と2つのストロンチウム(Sr)光格子時計を利用して、時計安定性の向上を達成した。非同期比較によって、両方の時計の分数不安定性は、平均時間τ(秒)に対して 4.8 × 10 17 / τ と評価された。同期比較によって、各時計の 3.5 × 10 17 / τ の率での平均化が可能になり、この不安定性は、量子射影雑音が支配的で、1時間の測定で6.6×10−19に達した。そうした短い時間スケールで10−18未満のレベルの周波数シフトを分解する能力は、量子センシングや基礎物理における、時計の幅広い応用に影響を及ぼす。

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