Letter

電気的にプログラム可能なフォトニック分子

Nature Photonics 13, 1 doi: 10.1038/s41566-018-0317-y

離散的なエネルギー準位を持つ物理系は、自然界の至る所に存在し、量子技術の基本構成要素となっている。原子や分子に似た制御可能な人工の光学系を実現することによって、光子の周波数、振幅、位相の動的なコヒーレント制御が可能になると思われる。今回我々は、結合させたニオブ酸リチウムマイクロリング共振器を用いて2つの離散エネルギー準位を持つ「フォトニック分子」を実証し、外部からのマイクロ波励起によってこの分子を制御している。我々は、Autler–Townes分裂、シュタルクシフト、ラビ振動、ラムゼー干渉を含むカノニカルな二準位系の概念を用いて、プログラムされたマイクロ波信号で光の周波数と位相を精密に制御できることを示す。我々は、そうしたコヒーレント制御を通して、フォトニック分子をブライトモードとダークモードの対に再構成することによって、オンデマンドの光学的な記憶と読み出しを示している。プログラム可能かつスケーラブルな電気光学系において光を動的に制御した今回の結果は、マイクロ波信号処理、周波数領域における量子フォトニックゲート、光コンピューティングやトポロジカル物理における概念探索への応用に扉を開くものである。

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