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単一サイクル光場によって駆動される有機超伝導体の非線形電荷振動

Nature Photonics 12, 8 doi: 10.1038/s41566-018-0194-4

固体に高強度光場を印加すると、高調波生成やアト秒電荷ダイナミクスなどの超高速巨大非線形現象が現れる。こうした現象は従来のフォトニクスとは異なる。しかし、相関金属や相関超伝導体に関する理論的方法も開発されているが、非線形フォトニクスの主な研究対象は絶縁体と半導体に限られていた。今回我々は、層状有機超伝導体において、10 MV cm −1を超えるほぼ単一サイクルの強電場によって駆動される非線形電荷振動を誘導放出として観測している。この電荷振動は、線形応答とは異なり、周期約6 fsの極性電荷振動によるものと考えられる。この非線形極性電荷振動は、超伝導転移温度近傍と一次モット転移の臨界終点近傍の臨界ゆらぎによって増強される。約10 fsという超高速時間スケールで観測されたことから、有機超伝導体の超伝導ではクーロン反発が極めて重要な役割を果たしていることが明らかになった。

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