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協同性が極めて高いランダウポラリトンに示される真空ブロッホ–シーゲルトシフト

Nature Photonics 12, 6 doi: 10.1038/s41566-018-0153-0

交流磁場あるいは交流電場と共鳴的に相互作用する2準位系は、多様な現象と技術の物理的基礎の構成要素である。しかし、この一見簡単な系に対するシュレーディンガー方程式は、逆回転の場の成分を無視した回転波近似の下でしか厳密に解くことができない。交流場が十分に強い場合、この近似は成り立たず、ブロッホ–シーゲルトシフトと呼ばれる共振周波数シフトが生じる。本論文では、光共振器内の真空場ゆらぎの逆回転成分と物質の超強結合によって生じる真空ブロッホ–シーゲルトシフトについて報告する。具体的には、量子化磁場中の高Q値テラヘルツ光共振器内の超高移動度二次元電子ガスが、40 GHzまでの真空ブロッホ–シーゲルトシフトに相当する超狭ランダウポラリトンを示したのである。このシフトは、光子場の自己相互作用効果とははっきりと区別でき、強場がない状態で強場現象が特異的に現れることを示している。

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