Article

ソフトナノインプリント・リソグラフィー法によるヒドロキシプロピルセルロースのフォトニックアーキテクチャー

Nature Photonics 12, 6 doi: 10.1038/s41566-018-0152-1

汚染や環境悪化が増大しているため、環境に優しい新材料の需要が高まっている。セルロースは数千年以上にわたって使用されてきたが、セルロースとその誘導体は豊富に存在し環境影響が小さいことから、従来のプラスチックに代わる好ましい代替材料として新たな関心を集めている。今回我々は、ソフトリソグラフィー法でヒドロキシプロピルセルロースを成型してサブマイクロメートル周期の格子を形成することによって、フォトニック構造体とプラズモニック構造体を作製したことを報告する。この作製法は、通常ならキラルネマチック相を利用して得られる構造色を、ヒドロキシプロピルセルロースで実現する代替的手法である。セルロース系フォトニック結晶は、生体適合性があり、用いる誘導体に応じて水溶性にも非水溶性にもできる。また、パターンを形成したセルロース膜は、色を調節できるとともに、ホスト有機色素のフォトルミネッセンスを増強できる可能性がある。さらに我々は、このセルロースフォトニックアーキテクチャーに金属をコーティングして、使い捨ての表面増強ラマン分光基板として機能する優れた光学特性のプラズモニック結晶を得る方法を示す。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度