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2.6~5.2 μmにわたる高コヒーレンス中赤外デュアルコム分光

Nature Photonics 12, 4 doi: 10.1038/s41566-018-0114-7

中赤外デュアルコム分光には、高い分解能、正確度、信号対雑音比、速さが必要な用途で、従来のフーリエ変換分光に取って代わる可能性がある。これまで、中赤外デュアルコム分光には、狭い光学帯域幅や低い信号対雑音比という制限があった。今回我々は、デジタル信号処理と導波路での広帯域周波数変換を使って、コム歯分解能、MHz以下の周波数精度と正確度、6500程度のスペクトル信号対雑音比を持ち、2.6~5.2 μmをカバーする中赤外デュアルコム分光計を実証している。我々は、その実証として、波数2840~3040 cm−1でプロパンの高度に構造化した広帯域断面積を、2000~2100 cm−1で硫化カルボニルの、2860~3400 cm−1でメタン、アセチレン、エタン混合物の複素位相/振幅スペクトルを測定した。広帯域幅、コムモード分解能、高輝度の組み合わせによって、精密実験室実験での正確な中赤外分光や、オープンパス大気ガス検出、プロセス監視、燃焼などの非実験室応用が可能になる。

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