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発光効率のロールオフが小さい高効率ジボロン化合物系有機発光ダイオード

Nature Photonics 12, 4 doi: 10.1038/s41566-018-0112-9

熱活性化遅延蛍光(TADF)材料を用いた有機発光ダイオード(OLED)は、高効率発光体の実現に有望である。しかし、こうしたデバイスは、これまで高輝度における発光効率のロールオフが問題となっていた。本論文では、ジボロンをベースとした2つの分子、CzDBAとtBuCzDBAの設計と合成について報告する。これらの分子は、優れたTADF特性を示し、発光効率のロールオフが非常に小さい高効率OLEDをもたらす。これらのドナー–アクセプター–ドナー(D–A–D)型で棒状の化合物は薄膜において、フォトルミネセンス量子収率が約100%で水平双極子比が84%のTADFを生成する。CzDBAをベースとした緑色OLEDは、外部量子効率が37.8 ± 0.6%、電流効率が139.6 ± 2.8 cd A−1、電力効率が121.6 ± 3.1 lm W−1であり、発光効率のロールオフは1000 cd m−2においてわずか0.3%である。このデバイスのピーク発光波長は528 nm、国際照明委員会(CIE)の色度座標では(0.31、0.61)であり、カラーディスプレイへの応用に魅力的である。

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