Letter

グラフェンヘテロ構造体におけるゲート広帯域周波数可変テラヘルツプラズモン

Nature Photonics 12, 1 doi: 10.1038/s41566-017-0054-7

グラフェンは、線形分散に従う準粒子ディラックフェルミオンによって特異な性質が生じる、ハニカム格子状の炭素からなる二次元材料であり、エレクトロニクス、メカニクス、熱輸送にわたる分野で大きな進展をもたらしている。今回我々は、原子層グラフェンにおいてオクターブレベルの周波数可変性と高い効率で、コヒーレントにテラヘルツプラズモンを生成し制御する逆方向励起全光差周波生成過程を実証している。我々は、グラフェンに固有の表面非対称性による強い二次非線形分極率を利用しており、この分極率と強いプラズモン場閉じ込めによって、テラヘルツ周波数のロバストな差周波数信号が可能になる。グラフェンでのこの逆方向励起共鳴過程によって、エネルギー保存と運動量保存の両方が独自に実現される。その結果として、我々は、ポンプ増幅器光帯域幅によってのみ制限される4.7 THzから9.4 THzの1オクターブにわたってテラヘルツ波を電荷やゲートで調節できる、2層グラフェンヘテロ構造体を実証している。理論モデリングは、ランダウ減衰より低い周波数でのフォノン結合と可飽和吸収を伴う乱雑位相近似を通して、今回の1ボルトレベルでのゲート制御と、光帯域幅で制限される4.7 THz位相整合測定によって、グラフェンプラズモン物理が予測され解明されることを裏付けている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度