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カー非線形性限界を超える通信に向けた非線形信号多重化

Nature Photonics 11, 9 doi: 10.1038/nphoton.2017.118

現行の光ファイバー伝送システムは、もともとは線形通信チャネル用に開発された変調技術、コーディング技術、多重化技術に頼っている。しかし、線形伝送技術は、非線形応答する伝送媒体に完全には適合しておらず、光ファイバーもこれに該当する。結果として、光ファイバーのカー非線形性によって、従来の光ファイバー通信システムの性能や実現しうる伝送速度に制限が課されている。今回我々は、ファイバーリンクに沿って線形変化するいわゆる非線形フーリエスペクトルにおいて、得られる自由度を全てエンコードし、信号を非線形多重化することによって、従来のカー非線形性限界を超える伝送性能を実現できることを示す。この結果は、光ファイバー伝送技術向けの変調法、コーディング法、信号処理法における根本的なパラダイムシフトの強い動機付けになる。

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