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単結晶ケイ酸塩化エルビウムナノワイヤーにおける巨大光学利得

Nature Photonics 11, 9 doi: 10.1038/nphoton.2017.115

光学利得が大きい希土類光学材料は、キャリア寿命と量子コヒーレンス時間が長いため、フォトニクスや量子情報においてさまざまな応用が可能であり、特に、高効率のレーザーと増幅器の実現に非常に重要である。これまで、希土類光学材料で達成された利得は数dB cm−1未満で、ナノフォトニック集積回路への応用には適していなかった。今回我々は、単結晶ケイ酸塩化エルビウムナノワイヤーに関する信号の増強と透過の実験の結果を報告する。今回の実験は、ナノワイヤーの単結晶材料品質と高いエルビウム濃度のため、約1530 nmの波長で100 dB cm−1を超える正味の材料利得が可能であることを実証している。このような希土類化合物ナノワイヤーが、例えば、集積ナノフォトニクスや量子情報のためのサブ波長スケールの光増幅器やレーザーなど、さまざまな応用に重要である可能性のあるナノ材料系であることを、今回の結果は立証している。

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