Article

量子限界の精度でのエバネッセント単一分子バイオセンシング

Nature Photonics 11, 8 doi: 10.1038/nphoton.2017.99

標識されていない単一生体分子を検出し、追跡できるセンサーは、生体分子のダイナミクスと相互作用を理解するためにも医療診断のためにも重要なツールであり、究極の検出限界で動作している。近年、光微小共振器やプラズモン共振器によって得られる、大きく増強されたエバネッセント場を使って、非常に優れた感度が達成された。しかし、場の強度を高めると、生物試料の光損傷がますます問題になる。今回我々は、光の量子化による基本的な精度限界で動作する、エバネッセントバイオセンサーを報告する。このセンサーは、最先端の感度を維持しながら、光強度を4桁小さくできる。このセンサーによって、わずか3.5 nmの単一生体分子の、量子雑音限界での追跡や、長時間にわたる表面と分子の相互作用の観察が可能になる。今回の方法は、量子雑音限界の精度を達成することで、量子的に精度を高めた単一分子バイオセンサーへの道を開く。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度