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室温バレーポラリトンの光学的制御

Nature Photonics 11, 8 doi: 10.1038/nphoton.2017.121

強い結合の下で半分は光で半分は物質の準粒子が形成されると、その構成成分の特性とは異なる独特な特性が現れる。光と物質の両方のフィンガープリントが、ポラリトンと呼ばれる新しい準粒子にインプリントされる。これによって、二次元(2D)物質では、将来見込まれる量子技術に、裸の半導体の興味深いスピン・バレー物理と質量の軽い光子成分を組み合わせて利用する可能性が開かれる。特に、バレー自由度は、2D物質が現れるまでほとんど調べられていなかったが、電子スピンの制御と操作を光学的に行う手段をもたらすため、こうした状況では非常に魅力的である。今回我々は、特定のヘリシティを持つ光子と、運動量空間において量子力学的に別個のバレーを占有する励起子が結合したためバレー分極した、強結合光物質準粒子を室温で観測したことを報告する。今回の2D半導体マイクロ共振器におけるバレーポラリトンの実現は、バレーポラリトン・デバイス技術への第一歩である。

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