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平面型メタ表面リトロリフレクター

Nature Photonics 11, 7 doi: 10.1038/nphoton.2017.96

メタ表面は、サブ波長散乱体を二次元的に配列した表面であり、光波の伝搬を制御できる。今回我々は、各メタ表面で既定の数学的変換を行うカスケード型メタ表面が、単一メタ表面ではまだ実証されていない新機能を可能にする新しい光学設計の枠組みをもたらすことを示す。具体的には、我々は、2つの平面型メタ表面を垂直に重ねることによって、リトロリフレクションを実現できることを実証している。第1のメタ表面では、空間フーリエ変換とその逆変換を行う。第2のメタ表面では、入射光のフーリエ変換に、空間的に変化する運動量を付与する。我々は、このコンセプトを利用して、2つのシリコンナノポスト層からなる平面型モノリシック近赤外リトロリフレクターを作製し検証した。このリトロリフレクターは、78%の垂直入射効率、60°という広いハーフパワー視野角で、入射方向に光を反射した。今回のメタ表面リトロリフレクターは、カスケード型メタ表面によって新しい高性能部品が実現される可能性を実証しており、軽量で低電力の受動型光送信器を可能にする。

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