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MoSe2導波路での励起子ポラリトン輸送の撮像

Nature Photonics 11, 6 doi: 10.1038/nphoton.2017.65

励起子ポラリトン(EP)は、半分は光、半分は物質の準粒子であり、将来のフォトニック技術や量子技術の重要な要素になる可能性がある。励起子ポラリトンは、強い光・物質相互作用と、エネルギーや情報の伝達に関連する応用に必要な長距離伝搬をもたらす。最近、ファン・デル・ワールス(vdW)物質で、強く束縛された励起子に起因する、室温での強く結合した共振器励起子ポラリトンが実証された。今回我々は、典型的なvdW半導体である、MoSe2での導波路EPのナノ光学撮像研究について報告する。測定されたEPの伝搬距離は、励起光子エネルギーに敏感で12 μm以上に達する。ポラリトンの波長は、導波路の厚さを制御することによって、600 nmから300 nmまで簡単に変化させることができる。さらに我々は、励起子共鳴に近い、後方に屈曲した興味深いポラリトン分散を見いだした。観測されたvdW半導体のEPは、近赤外光から可視光のスペクトル領域で動作する、将来のナノフォトニック回路で役立つ可能性がある。

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