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非線形レーザーリソグラフィによってシリコン深層部に形成されたチップ内微細構造体とフォトニックデバイス

Nature Photonics 11, 10 doi: 10.1038/s41566-017-0004-4

シリコンは、マイクロエレクトロニクスや集積フォトニクス向けの優れた材料であり、中赤外光学系においては未開発の可能性を秘めている。第三の次元の重要性が広く認識されているにもかかわらず、現行のリソグラフィ法では、シリコンチップの内部にフォトニックデバイスや機能性マイクロ素子を直接製作することはできない。比較的単純な湾曲形状でさえ、反応性イオンエッチングのような手法では実現できない。光学素子や電子デバイスをリソグラフィで埋め込んだことはあまりなく、エレクトロニクスとフォトニクスの統合は不十分である。本論文では、1 μmサイズのドットと長さを調節できるロッド状構造体を基本構成要素として使って、レーザーを用いたシリコン深層部の複雑な3D構造体の製造を実証している。レーザーで改質されたシリコンの光学指数は、改質されていない部分とは異なり、多くのフォトニックデバイスの作成が可能になる。必要があれば、こうした部品を化学的にエッチングすることで所望の3D形状を生成することもできる。我々は、チップのマイクロ流体冷却、シリコン貫通電極、微小電気機械システム、太陽光発電、フォトニックデバイス向けの、最新のデバイス性能に匹敵するか上回る表面下、すなわちチップ内部の微細構造体を多数例示する。

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