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Si上に直接成長させたInGaN系電気注入型室温連続波レーザー

Nature Photonics 10, 9 doi: 10.1038/nphoton.2016.158

シリコンフォトニクスは、室温で電気的に駆動される高効率オンチップ可視光光源から多大な恩恵を受けると思われる。安価な大規模製造工場の恩恵を十分活用するには、直接遷移型III–V族半導体レーザーをSi上に直接成長させることが非常に望ましい。今回我々は、Si上に直接成長させた青紫色(413 nm)InGaN系レーザーダイオードの実証について報告する。このレーザーダイオードは、室温において電流注入で連続波動作し、しきい値電流密度が4.7 kA cm–2である。Si上へのGaNのヘテロエピタキシャル成長では、格子定数と熱膨張係数の不整合がともに大きいため、欠陥密度が高くなったりマイクロクラックネットワークが生じたりすることが多い。我々は、Al組成が段階的に変化するAlN/AlGaN多層バッファーをSiとGaNの間に挿入することによって、クラックの形成防止に成功しただけでなく、効果的に転位密度も減少させた。その結果、Si上に青紫色InGaN系レーザーを実現させることができた。

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