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幾何学位相を通して光を誘導する

Nature Photonics 10, 9 doi: 10.1038/nphoton.2016.138

光を横方向に閉じ込め、誘導する既知の全ての方法は、屈折率の変化、すなわち電磁放射のスカラー特性に依存している。今回我々は、光のベクトル的なスピン軌道相互作用とその結果生じる幾何学位相を利用した誘電体導波路の概念を明らかにする。この方法は、屈折率が至るところで一定のままになるように、伝搬方向と直交する光軸を空間的に変調した異方性媒質の利用に依存している。スピン制御された累積位相ひずみがこのビームに生じ、特定の偏光に対して回折が均衡する。我々は、理論解析とともに、液晶でできた一連の離散幾何学位相レンズを使った誘導の実験的な実証を示す。今回の結果によって、レイリー長を十分超えて幾何学位相が光誘導挙動を決める可能性があることが示され、新種のフォトニクスデバイスへの道が開かれる。この概念は、全電磁スペクトルに応用できる。

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