Article

超高強度フェムト秒レーザービームの時空間特性評価

Nature Photonics 10, 8 doi: 10.1038/nphoton.2016.140

フェムト秒レーザーは、超高強度集光が可能になったため、荷電粒子の相対論的運動を光で生じさせることができ、新世代の小型粒子加速器やX線源の実現に道を開く。超高強度レーザービームには、数十センチメートルまでの直径で、時空間的歪み、すなわち、ピーク強度を劇的に減少させうる時間的特性の空間依存性が生じる傾向がある。しかし現時点では、こうした高強度電磁場は、時間と空間に分けて特性評価と最適化がなされている。今回我々は、100 TWピークパワーのレーザーについて場E(t,r)の完全な時空間的再構成を初めて実験的に行ったことを示し、そうしたビームに影響を及ぼしうる時空間的歪みを明らかにしている。この新しい測定機能によって、超高強度レーザーの詳細な特性評価と最適化が可能になり、最終的には時空間的に構造化されたフェムト秒レーザービームによる物質の相対論的運動の高度な制御への道が開かれる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度