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マルチレンズ型超小型対物レンズの2光子直接レーザー書き込み

Nature Photonics 10, 8 doi: 10.1038/nphoton.2016.121

現行のレンズシステムは、製造上の制約によって、大きさや形状が限られている。広角度・広視野でイメージングする際に、高い光学性能と収差補正を実現するには、非球面形状のマルチレンズ素子が必要である。今回我々は、前述の問題を全て克服し、複雑なレンズ設計のマイクロ光学素子やナノ光学素子の3D印刷という新しい分野を開く新しい光学の概念を提示する。我々は、光学設計、フェムト秒二光子直接レーザー書き込みによる作製、試験から、約100 µmの大きさのマルチレンズ型対物レンズの応用まで、全工程を実証するとともに、変調伝達関数と収差を定量的に測定して高い性能と機能を検証している。今回の手法は、これまでになく融通性が高いことから、内視鏡、細胞生物学向けファイバー・イメージングシステム、新しい照明システム、小型光ファイバートラップ、集積量子発光体や検出器、自律視覚を持つ小型ドローンやロボットなど、小型光学装置の印刷に向けて道を開くものとなる。

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