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大域的なアンテナ相互結合を通して位相同期したレーザーアレイ

Nature Photonics 10, 8 doi: 10.1038/nphoton.2016.104

レーザーアレイの位相同期は、出力を増強し、レーザー発振しきい値を低くするため、ビーム成形に極めて有効な方法である。今回我々は、レーザー素子が遠方界放射を通して一定の位相関係で相互作用する「アンテナ相互結合」に基づく、概念的に新しい位相同期機構を示す。これによって、アレイ要素間の大域的な長距離結合が可能になり、二次元レーザーアレイにロバストな位相同期を実現できる。この方式は、発散ビームパターンを使って、アレイの素子間に強い結合を実現できる可能性があるナノレーザーなど、深いサブ波長の閉じ込め共振器を持つレーザーに理想的である。我々は、テラヘルツ周波数において、サブ波長の短共振器面発光レーザーに基づくこうした方式を実験的に実証した。約8λ0にわたって広がる37個以上のレーザー素子が互いに位相同期し、約3 THzで最大6.5 mW(パルス動作)の単一モード放射が生成された。この放射の、スロープ効率は最大450 mWA-1であり、ビーム広がりは回折限界に近かった。

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