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単一核スピンへの光子状態の高忠実度転送と保存

Nature Photonics 10, 8 doi: 10.1038/nphoton.2016.103

長距離量子通信には、光子と量子ノードが必要である。量子ノードは、光と相互作用しメモリー能力の高い量子ビットと、光子を保存し操作する処理量子ビットからなる。光子の損失が避けられないため、損失の多い通信チャンネルを使ったロバストな量子通信は、量子リピーターネットワークを必要とする。こうしたネットワークには、入射光子状態を高い信頼性で保存するためにコヒーレンス時間の長い量子メモリーの存在が不可欠であり、難しい課題である。今回我々は、コヒーレンス時間が10秒を超える単一の固体核スピンへの、光子の偏光状態の高忠実度(約98%)コヒーレント転送を実証している。光子の偏光状態を、ダイヤモンド中の窒素空孔中心の電子スピンと核スピンのエンタングル状態にコヒーレントに転送することによって、保存過程が実現される。今回実証された核スピンに基づく光学量子メモリーは、光子の吸収に基づく量子リピーターネットワークへの道を開く。

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