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サブ秒寿命の効率の高い光と物質の量子インターフェース

Nature Photonics 10, 6 doi: 10.1038/nphoton.2016.51

量子リピーターは、スケーラブルな長距離量子通信に有望である。その基本構成要素は、光と量子メモリーの間に非古典的な相関を生成する光と物質の量子インターフェースである。このインターフェースの性能の改善に大きな進展が見られたが、量子リピーターのさらなる開発は、主要な能力を単一のシステムに統合するのが難しいため妨げられている。今回我々は、量子リピーターの必要条件を満たす効率と寿命を持つ高性能インターフェースを報告する。三次元光格子で低温原子を閉じ込め、リング共振器で原子–光子結合を増強すると、0.22±0.001 sの1/e寿命とともに76±5%の初期検索効率が観測された。これは、Duan‐Lukin‐Cirac‐Zoller (DLCZ)プロトコルを通した最長1000 kmのサブHzのエンタングルメント配送を裏付けている。効率の高い電気通信インターフェースや中程度の多重化と組み合わせれば、今回の結果によって、直接伝送より優れた量子リピーターシステムが、近い将来に可能になるかもしれない。

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