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150秒の平均化時間でYb時計とSr時計の周波数比を5×10−17の不確かさで測定

Nature Photonics 10, 4 doi: 10.1038/nphoton.2016.20

原子やイオンの遷移周波数は、自然界で最も正確に得られる量の1つであり、衛星測位システムなど、さまざまな分野に応用されているばかりでなく、物理学の基本法則の検証によって科学の未開拓分野を切り開いていく上で重要な役割を果たしている。光学遷移に基づく原子時計の不確かさは10-18に近づいており、SI(国際単位系)秒では十分に周波数を到底表現できなくなる。これに対して、そうしたスーパークロックの周波数比を直接測定すれば、SI秒による制限を受けない。それによって、スーパークロックのアンサンブルに対して整合性と総合精度を検証することができ、秒の再定義への重要なステップとなる。今回我々は、中性イッテルビウム時計と中性ストロンチウム時計の周波数比が、4.6×10−17の相対不確かさと4×10−16 (τ/s)−1/2という低い測定不安定度で、R = 1.207507039343337749(55)となることを測定によって見いだしたことを報告する。

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