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固体における動的Mollow三重項の自己ホモダイン測定

Nature Photonics 10, 3 doi: 10.1038/nphoton.2015.276

量子2準位系が単一共振器モードと強く結合する共振器量子電気力学(CQED)アーキテクチャーによって、量子スケールでの光–物質相互作用の研究が可能になっている。CQED効果は、もともと光共振器中の原子で実現されたものだが、現在では固体環境中の人工原子でも観測されている。こうした系を実現したものは高速ダイナミクスを示すため、高スループット通信における変調器や光源などのデバイスの魅力的な候補となる。しかし、こうした系は光子の取り出し率が大きいため、大きな励起出力での量子挙動が不明瞭になる。今回我々は、ナノ加工した共振器の複雑なモード構造を十分に利用した自己ホモダイン干渉法を使って、動的Mollow三重項と呼ばれる量子現象を観測した。この干渉によって、任意のオンチップ量子状態発生器の開発が容易になるため、量子リソグラフィー、計測、イメージングに大きな影響を及ぼすと、我々は予想している。

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