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1に近い量子効率を示す誘起接合型広帯域ブラックシリコン・フォトダイオード

Nature Photonics 10, 12 doi: 10.1038/nphoton.2016.226

理想的なフォトダイオードは、入射光の波長、角度、強度とは無関係に、全ての入射光子を検出できるものである。現在のフォトダイオードは、特に光学損失が大きく、生成された電荷キャリアが再結合を経て失われることが多い。今回我々は、250~950 nmの波長範囲にわたって96%を超える外部量子効率を示すデバイスを実証している。我々は、従来のpn接合の代わりに、負に帯電したアルミナを用いて反転層を形成している。この反転層によって、バルク抵抗率が10 kΩ cmを超えるn型シリコン中で深さ30 μmまで広がる収集接合が生成された。また我々は、フォトダイオード表面をナノ構造化することによって、さらに収集効率を向上させた。その結果、反転層において実効電荷密度が高くなり、電荷キャリア濃度が増大した。その上、ナノ構造化と高効率表面パッシベーションによって、入射角70°まで信頼性の高いデバイス応答を得ている。我々は、今回検討したデバイスによって、データの質が高まり、フォトダイオード面積が縮小され、ピクセル当たりのコストが低減されると予想している。

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