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フェムト秒レーザーアブレーションを利用した結晶成長モードの能動的切り替えによるタンパク質結晶の成長促進

Nature Photonics 10, 11 doi: 10.1038/nphoton.2016.202

望ましい形状の大型単結晶は、X線/中性子線結晶構造解析や結晶デバイスなど、さまざまな科学分野や工業分野に不可欠である。しかし、タンパク質の場合、環境的、化学的、物理的なパラメーターの最適化に努力が払われてきたにもかかわらず、そうした結晶の作製はとりわけ困難である。今回我々は、フェムト秒レーザーアブレーションを利用して局所的な結晶構造を直接変化させることでタンパク質の結晶成長を促す、革新的な手法について報告する。我々は、フェムト秒レーザーアブレーションで表面の局所領域(直径数µm)を破壊したタンパク質結晶が、結晶品質を損なうことなく高速成長することを実証している。光位相に敏感な顕微鏡法とX線トポグラフィーイメージング法で観察したところ、局所破壊によって、自発的な二次元核成長モードよりもエネルギー的に有利な渦巻き成長が生じることが明らかになった。今回の研究結果は、フェムト秒レーザーアブレーションによって結晶成長モードを能動的に切り替えることができ、タンパク質結晶の大きさと形状のフレキシブルな制御が可能になることを立証するものである。

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