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最適化されたフラットフィールド落射照明による複数細胞の超解像イメージング

Nature Photonics 10, 11 doi: 10.1038/nphoton.2016.200

生物学的過程は本質的にマルチスケールであり、細胞スケールやそれより大きいスケールの変化をナノスケールの超分子複合体が左右している。単一分子局在化顕微鏡(SMLM)法は、約10 nmオーダーの分解能で細胞の特徴を研究する重要な手段として確立されている。しかし、現行の形態のSMLMは、視野(FOV)に大きな制約があり、画像解像度が視野に依存するため、限定的な手法となっている。今回我々は、ナノスケールの分解能で複数の細胞を同時に効率よく均一にイメージングできる安価なマイクロレンズアレイ(MLA)ベースの落射照明システム、すなわち視野に依存しないイメージングのためのフラット照明(FIFI:flat illumination for field-independent imaging)を開発している。さらに、新しい無償のシミュレーションパッケージを用いて、FIFIの光学原理(ケーラーインテグレーターを拡張したもの)を解明し、モデル化した。我々は、複数のCOS-7細胞や細菌細胞を画像化して100 × 100 µm2のSMLM像を得ることによって、FIFIの機能を実証している。すなわち、FOVのサイズを通常の4倍以上にして、ギガピクセルに近いサイズで、一様に質の高い画像を得ている。

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