Article

都市圏ファイバーネットワークにおける量子テレポーテーション

Nature Photonics 10, 10 doi: 10.1038/nphoton.2016.180

1つの光子がベル状態測定(BSM)を経てエンタングル光子対の片方と相互作用すると、その状態は原則として任意の距離にわたってもう片方の光子にテレポートする。1997年以来、この量子力学の不可解な予測は何度も実証されてきた。しかし、2つの例外はあるものの、テレポートされる状態(もしあれば)を受け取る光子だけが遠くへ伝送され、BSMに関与する光子は常に生成した場所の近くで測定されていた。今回我々は、カルガリー・ファイバーネットワークを用いて、波長1,532 nmの通信光子から波長795 nmの光子への量子テレポーテーションを実現したことを報告する。波長1,532 nmの通信光子は、別の通信光子と合わせて8.2 kmの最短距離をそれぞれ数km伝送した後相互作用する。この方法で、テレポーテーションが起こる距離が6.2 kmまで伸びる。今回の実証結果は、量子リピーターに基づく通信に重要な必要条件を確立するものであり、地球規模の量子インターネットへのマイルストーンとなる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度