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オプトメカニカルに誘起される非相反性の実験的実現

Nature Photonics 10, 10 doi: 10.1038/nphoton.2016.161

サーキュレーターやアイソレーターなどの非相反デバイスは、フォトニック集積回路における古典的情報処理や量子情報処理に不可欠な構成要素である。こうした応用の他に、非相反位相シフトは、カイラルエッジ状態やトポロジカル保護の実現など、エキゾチックなトポロジカルフォトニクスを研究する上で基礎的に興味深い。しかし、低光学損失の磁性材料をフォトニックチップに組み込むことは、技術的に困難である。本論文では、過去の研究で提案されたウィスパリングギャラリー・マイクロ共振器におけるオプトメカニカル相互作用を用いた非磁性非相反性を、実験的に実証している。オプトメカニカルに誘起される非相反透過と増幅が観測され、40°までの非相反位相シフトも実証されている。オプトメカニカルに誘起される非相反性の基本的な機構には、制御可能な全光アイソレーターやサーキュレーター、集積フォトニックチップにおける非相反位相シフターに応用できる大きな可能性がある。

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