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周波数アジャイルなデュアルコム分光法

Nature Photonics 10, 1 doi: 10.1038/nphoton.2015.250

分光法によるガス検出と、例えば微量検出や反応速度論へのその応用には、これまで以上に要求の厳しい測定時間、取得率、感度、精度、幅広い同調範囲が必要となる。今回我々は、光通信とスーパーコンティニュームフォトニクスの先進概念を利用した、近赤外分子分光法の新しい方法を提案する。我々は、モード同期レーザーを使わずに、繰り返し周波数が少し異なり、スペクトル範囲は中程度ではあるが高速同調が可能な周波数コムを2個生成している。周波数アジャイルな連続波レーザーの出力が分割され、2個の電気光学強度変調器へ送られる。平坦な低雑音周波数コムが、正常分散の非線形光ファイバーにおける波崩壊によって生成される。デュアルコム分光計を使って、10 nm s-1の同調速度で、60 GHzの範囲のドップラー限界スペクトルが13 µs以内に80 kHzを超えないリフレッシュレートで記録されている。弱い吸収に対する感度は、ガスを充填した長い中空コアファイバーによって高められた。実験室の外でも、実時間診断を行う新たな機会が開かれる可能性がある。

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