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ヨウ化鉛ペロブスカイトにおけるホットフォノンボトルネックの観測

Nature Photonics 10, 1 doi: 10.1038/nphoton.2015.213

今回我々は、広帯域過渡吸収分光法を用いて、ヨウ化鉛メチルアンモニウムペロブスカイト平面膜におけるキャリアダイナミクスを調べた。我々は、急峻な光吸収のオンセットが、不均一に広がった励起子遷移に起因し、束縛エネルギーが9 meVであることを示している。また我々は、励起子遷移の自由キャリア誘起ブリーチング、準フェルミエネルギー、キャリア温度、バンドギャップ繰り込み定数によって、過渡吸収スペクトルの特性を十分に評価した。光誘起キャリア温度を過渡吸収スペクトルから導き、さまざまな励起波長と光子フルエンスについて遅延時間の関数として調べた。我々は、臨界注入キャリア密度約5×1017cm−3以上で、ホットキャリアの冷却を時間で3~4桁減速する効率のよいホットフォノンボトルネックを見いだした。分子ビームエピタキシー法で成長させたGaAsと比較すると、臨界密度は1桁低く、緩和時間は約3桁長かった。

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