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アト秒ナノプラズモン場顕微鏡

Nature Photonics 1, 9 doi: 10.1038/nphoton.2007.169

<p>ナノプラズモニクスは、表面プラズモンと呼ばれる励起の結果として生じる金属ナノ構造体表面の電子の集団的ダイナミクスを扱う。最近急成長を遂げたこの分野は、ナノスケールでのコンピューティングや情報記憶、物理的、化学的、生物学的なナノサイズの物体の超高感度検出や分光、光エレクトロニクスデバイスの開発といった応用分野に恩恵をもたらすかもしれない。表面プラズモンはスペクトルバンド幅が広いため、数百アト秒という短いタイムスケールの超高速ダイナミクスが生じる。これまでのところ、ナノスケールで局在化した光場の時空間ダイナミクスは、実空間実時間領域における直接的な調査手段では明らかにされなかった。今回我々は、ナノメートルスケールの分解能と100アト秒オーダーの時間分解能で、ナノプラズモンの集団ダイナミクスを非侵襲的に直接調査する手段を初めて提供することになる方法を提案する。この方法は、光電子放出顕微鏡法とアト秒ストリーキング分光法(attosecond streaking spectroscopy)を組み合わせたものであり、基本的な観点からも、ナノプラズモニクスの従来の応用や考えられる応用の観点からも興味深いナノ局在光場の精査に役立つ手段が得られる。</p>

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