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シリコン共振器において光の色を変化させる

Nature Photonics 1, 5 doi: 10.1038/nphoton.2007.72

マイクロエレクトロニクス・システムにおいて高帯域の要求が高まっており、波長分割多重化(WDM)や波長変換など、電気通信によく利用される方式を伴う光相互接続アーキテクチャーが現在検討されている。そのようなオンチップ・アーキテクチャーでは、波長変換能力が必要である。これまで、シリコンチップ上の波長変換は、基本的に全光学的な方式を用いた場合にしか実証されておらず、超小型電子チップへの集積が困難となっている。これに対して、我々は、微小共振器の電気光学的な超高速チューニングを起こすことによって波長変換が実現されることを示す。光共振器のパラメータを調整することによって、さまざまな色の光のフィルタリングが起こることは、よく知られている。今回我々は、それによって光の色も変えられることを実証した。これは、他の分野でよく観察される効果である。例えば音響分野では、ギターの弦が共振して発生する音を、弦(すなわち共振器)の長さを変えて変化させることができる。今回我々は、光学分野におけるこれと同じチューニング効果によって、小型でオンチップの電気的な波長変換が可能となることを示す。最高34%のオンオフ変換効率で、最大2.5 nmの波長変化が起こることが実証された。

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