Letter

微細加工蒸気セルを用いたサブピコテスラ原子磁力測定法

Nature Photonics 1, 11 doi: 10.1038/nphoton.2007.201

1pT以下の磁場を測定できる高感度磁力計は、地球物理学的調査、不発弾の検出、宇宙科学、核磁気共鳴、健康管理、周辺監視および遠隔監視といった多様な分野に影響を及ぼす。最近、気相のアルカリ原子のスピン歳差運動を利用した実験用光磁力計が、超伝導量子干渉素子の感度と同等もしくはそれを上回るフェムトテスラ領域の感度を実現しうることが示されている。今回我々は、ミリメートルスケールの微細加工アルカリ蒸気セルを利用した、70 fT Hz−1/2以下の感度を持つ原子磁力計を実証した。その上、我々は単一の低出力レーザーのみを必要とする単純な構成の光学系を利用した。この結果は、ミリメートルスケールの低出力フェムトテスラ磁力計が実現可能であることを示唆しており、単純な感度スケーリング解析によってこのことが裏付けられた。このような機器によって、原子磁力計を利用できる応用範囲が大幅に広がるであろう。

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