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電気通信周波数における遅い誘導された表面プラズモン

Nature Photonics 1, 10 doi: 10.1038/nphoton.2007.174

スローライト現象は、基礎物理の観点からだけでなく、電気通信にも新しい応用が可能になることから興味深い。実用的なスローライトデバイスでは、重要な特性は帯域幅、波長が調整可能な領域、大きさであり、実現される絶対減速率ではない。スローライトは主に次の3つのやり方で実現できる。量子干渉効果によって、非常に狭い帯域幅内ではあるが、1秒当たり数メートルまで光速度を減速できる。フォトニック結晶を使えば、減速率は非常に小さいが広い帯域幅にわたって光を遅くできる。そして、誘導ブリルアン散乱や誘導ラマン散乱を使う方法である。表面プラズモンポラリトンには、マイクロチップサイズのデバイスにおいて光の回折限界を越えることが可能な利点がある。表面プラズモンポラリトンの伝搬長の増大と全光学的な波長調整の可能性が報告されている。本論文では、遅いフェムト秒の表面プラズモンポラリトン波束を観測した結果を報告する。極めてコンパクトな(長さ55μ m)プラズモニック構造体は4 THzの帯域幅にわたって有効減速率2を実現できることを示す。これらの結果は表面プラズモンポラリトンを利用したフォトニックデバイスの応用範囲を拡大するであろう。

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