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COVID-19:重症COVID-19に対するSARS-CoV-2特異的T細胞療法 ― 無作為化第1/2相試験

Nature Medicine 29, 8 doi: 10.1038/s41591-023-02480-8

重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で有効性を示す治療薬は、研究が進んでいるにもかかわらず、ほとんど存在しない。ウイルス特異的なT細胞は、ある異なった状況では安全かつ有効であることが証明されている。我々は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)デルタ株が優勢な時期に、重症COVID-19患者を対象に、回復期ドナー由来のSARS-CoV-2特異的T細胞(CoV-2-ST、ヒト白血球抗原〔HLA〕が部分的に適合する既製品)と標準治療(SoC)の併用について、SoCと比較した安全性と有効性について評価する無作為化(2:1)非盲検第1/2相試験を行った。用量漸増第1相安全性試験の後に、90人の参加者がCoV-2-ST+SoC群(n = 60)あるいはSoC単独群(n = 30)へ無作為に割り付けられた。本試験の共主要評価項目は、回復までの時間と30日目までの回復率の複合評価、およびSoC群よりもCoV-2-ST+SoC群の患者においてCoV-2-STがin vivoで増加することであった。主要副次目的は、60日目における生存率であった。CoV-2-ST+SoC治療は安全で、忍容性が良好であった。本試験は、主要複合評価項目(回復率は、CoV-2-ST+SoC群65%に対しSoC群38%、P = 0.017。回復までの日数の中央値は、CoV-2-ST+SoC群11日に対しSoC群未達、P = 0.052。回復率の率比1.71〔95%信頼区間1.03~2.83、P = 0.036〕)、およびCoV-2-STのSoC群より有意な増加(CoV-2-ST+SoC群対SoC群、P = 0.047)という共主要目的を満たした。全体として、入院した重症COVID-19患者では、CoV-2-STの養子免疫療法は実現可能かつ安全であった。重症COVID-19における臨床的有用性を示す今回の予備的なエビデンスを補強するためには、より大規模な試験が必要となる。EudraCT登録番号:2021-001022-22。

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