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がん治療:ステージIII黒色腫でのOpACIN-neoおよびOpACINネオアジュバント免疫療法の臨床試験での生存およびバイオマーカーの解析

Nature Medicine 27, 2 doi: 10.1038/s41591-020-01211-7

ネオアジュバントとしてのイピリムマブとニボルマブの併用は、第1b相OpACIN(NCT02437279)と第2相OpACIN-neo(NCT02977052)研究において肉眼的ステージIII黒色腫の患者で高い病理学的奏効率(pRR)を示した。結果は有望であったが、このような病理学的奏効の持続性や、応答性や生存に関するベースラインバイオマーカーについてのデータが欠けていた。経過観察中央値である4年後に、OpACIN研究で病理学的奏効のあった患者(患者9人中7人)で再発は見られなかった。OpACIN-neo(n = 86)研究では、2年間の推定無再発生存率は全患者で84%、病理学的奏効を達成した患者で97%、不応答者で36%だった(P < 0.001)。高い腫瘍遺伝子変異量(TMB)と高いインターフェロンγ関連遺伝子発現シグネチャースコア(IFN-γスコア)は、病理学的奏効や低い再発リスクと関連しており、高いIFN-γスコアと高いTMBを示す患者ではpRRが100%であり、高いIFN-γスコアと低いTMBを示す患者では91%、低いIFN-γスコアと高いTMBを示す患者では88%だった。一方で低いIFN-γスコアと低いTMBを示す患者のpRRは39%にすぎなかった。これらのデータは、病理学的奏効を示した患者での併用の長期的効果を明らかにしており、またTMBとIFN-γスコアの予測能力を示している。今回の知見は、肉眼的ステージIII黒色腫において、ネオアジュバントとしてのイピリムマブとニボルマブの併用と、PD-1(programmed cell death protein-1)に対する抗体を用いる標準的なアジュバント療法とを比較する無作為化第3相研究に対する強力な根拠を提供する。

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