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喫煙:世界の喫煙率へのタバコ規制政策の影響

Nature Medicine 27, 2 doi: 10.1038/s41591-020-01210-8

過去20年にわたって、特に2003年に世界保健機関による「タバコ規制枠組条約」の採択後は、タバコの蔓延を削減するために世界規模で多大な努力がなされてきた。2015年には、タバコ使用から生じる負荷が認められたことで、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の世界的開発目標にタバコの規制強化が組み込まれた。我々は今回、喫煙禁止、健康に関する警告、広告の禁止、タバコ税などを含む包括的なタバコ規制政策が、喫煙率の低下に有効であり、もしある国でこれらの政策が同時に施行されるとしたら、正の効果の増幅が見られることを示す。我々の反事実分析に含まれていた155か国全てが、2009年中に最も厳しいレベルでの喫煙禁止、健康への警告、広告禁止を採用し、タバコの価格を少なくとも7.73国際ドルに引き上げていたとしたら、2017年には喫煙者は世界で約1億人少なくなった可能性があることが明らかになった。これらの知見は、各国が一連の強力なタバコ規制対策の実施促進に向けて動き、それによって喫煙に起因する疾患や死亡の負荷を抑えることが喫緊に必要であることを明確に示している。

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