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COVID-19:COVID-19ワクチン初回接種後およびSARS-CoV-2感染後に見られた神経学的合併症

Nature Medicine 27, 12 doi: 10.1038/s41591-021-01556-7

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染とワクチン接種に関連するまれな神経学的合併症が報告されるようになったことは、規制上だけでなく、臨床上、また公衆衛生上の懸念につながった。我々は、ChAdOx1nCoV-19(n = 20,417,752)、あるいはBNT162b2(n = 12,134,782)の初回接種後、および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)検査陽性(n = 2,005,280)後28日までに見られた神経学的合併症による入院について調べる自己対照ケースシリーズ研究を行った。ChAdOx1nCoV-19では、ギラン・バレー症候群[ワクチン接種後15~21日間での罹患率比(IRR)が2.90、95%信頼区間(CI):2.15~3.92]とベル麻痺(ワクチン接種後15~21日間でのIRRが1.29、95%CI:1.08~1.56)のリスク上昇が見られた。BNT162b2では、出血性卒中(接種後15~21日間でのIRRが1.38、95%CI:1.12~1.71)のリスク上昇が見られた。これらとは無関係のスコットランドのコホートでも、ChAdOx1nCoVとギラン・バレー症候群との関連(接種後1~28日間でのIRRが2.32、95%CI:1.08~5.02)が裏付けられた。SARS-CoV-2検査陽性後28日間では、ギラン・バレー症候群を含む全ての神経学的転帰のリスクがかなり高くなった。全体として、ギラン・バレー症候群の症例は、ChAdOx1nCoV-19を受けた1千万人当たりの過剰症例は38、またSARS-CoV-2検査陽性後の1千万人当たりの過剰症例は145になることが予測された。まとめると、COVID-19ワクチンの既接種者では神経学的合併症のリスクが上昇することが明らかになったが、これらの合併症のリスクはSARS-CoV-2検査が陽性だった後の方がより高いことも分かった。

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