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精神神経疾患:強迫性障害で行動マーカーと同期させた頭蓋内電気生理学的性質の長期的な生態学的評価

Nature Medicine 27, 12 doi: 10.1038/s41591-021-01550-z

病的な行動状態と関連した神経シグネチャーを検出すれば、適切な脳深部刺激療法(DBS)が可能になり、精神神経疾患に対するDBSの有効性を改善するための戦略となる可能性がある。この手法では、問題とされる行動状態の神経バイオマーカーを特定する必要があり、これは生態学的に妥当な環境で行うのが最良な作業である。今回我々は、記録ができるDBSデバイスを埋め込んだ強迫性障害(OCD)の患者で、腹側線条体の慢性的な局所フィールド電位と、問題とされる疾患特異的行動を同期させた。医療施設や在宅診療で、非構造化活動の間やDBSと曝露療法の間に、1000時間以上の局所フィールド電位を捕捉した。データが得られた重症度は広範囲にわたっていて、OCD症状の強さの神経バイオマーカー候補を突き止めることができた。この研究は、日常的な症状の変動の間に慢性的な頭蓋内電気生理学的性質を計測することの実現可能性と有用性を実証しており、これによって、将来的にOCDなどの神経疾患に適応するDBSを開発するための前提的な必要条件である神経バイオマーカーを突き止めることが可能になる。

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