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がん治療:転移性メラノーマでのニボルマブと組み合わせたIDO/PD-L1に対する免疫調節ワクチンの第1/2相試験

Nature Medicine 27, 12 doi: 10.1038/s41591-021-01544-x

aPD1(anti-programmed death-1)療法は転移性メラノーマ(MM)に効果的な方法だが、患者の50%以上で抵抗性のために病状が進行する。インドールアミン2,3-デオキシゲナーゼ(IDO)とPD-L1(PD ligand 1)に対する免疫調節性ワクチン(IO102/IO103)は、IDOかPD-L1、あるいはその両方を発現する免疫抑制細胞および腫瘍細胞を標的とする画期的新薬で、我々はこれをニボルマブと組み合わせて試験を行った。第1/2相試験では、抗PD-1療法を行ったことのないMM患者30人が治療を受けた(https://clinicaltrials.gov/、NCT03047928)。主要評価項目は実行可能性と安全性であり、全身的な毒性プロファイルはニボルマブ単剤療法のものと類似していた。副次評価項目は有効性と免疫原性で、80%[信頼区間(CI)、62.7~90.5%]の客観的相効率(ORR)が達成され、完全奏効率は43%(CI、27.4~60.8%)であった。22.9か月のフォローアップ期間中央値の後の、無増悪生存期間(PFS)中央値は26か月(CI、15.4~69か月)であった。全生存期間(OS)中央値は目標に達しなかった。in vitroで評価されたワクチン特異的な応答はワクチン接種中に93%を超える患者の血中で検出された。ワクチン反応性T細胞は、IDOとPD-L1を発現するがん細胞や免疫細胞に対する活性を有するCD4+およびCD8+ T細胞を含んでいた。末梢で増加したT細胞の腫瘍部位への侵入はワクチン応答性の患者で観察され、治療後にはIDOやPD-L1に特異的なクローンが全般的に増えたことが立証された。これらの臨床的有効性と好ましい安全性データは、この免疫調節療法の臨床使用の可能性を確認するために、もっと大規模な無作為化試験でさらなる検証を行うことの裏付けとなる。

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