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COVID-19:アナキンラによる可溶性ウロキナーゼ型プラスミノーゲン受容体血漿レベルを指標としたCOVID-19の早期治療:二重盲検無作為化対照第3相試験

Nature Medicine 27, 10 doi: 10.1038/s41591-021-01499-z

可溶性ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体(suPAR)の血清レベルの早期上昇は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が呼吸器不全へ進行するリスクの上昇を示している。二重盲検無作為化対照試験SAVE-MOREでは、血漿中のsuPARが6 ng/mlを超え、COVID-19が呼吸器不全へ進行するリスクが高いことが明らかになった594人で、IL-1α/β阻害剤であるアナキンラの有効性と安全性が評価された。これらの患者の85.9%(n = 510)は、デキサメタゾンを投与中であった。28日目に、アナキンラ投与中で臨床状況が悪化した状態[WHOの臨床的進行度に関するスケール(WHO-CPS)が11ポイントであることによる評価]の調整比例オッズは、プラセボと比較した場合、0.36(95%信頼区間0.26~0.50)であった。28日目のWHO-CPSのベースラインからの低下の中央値は、プラセボ群で3ポイント、アナキンラ群で4ポイント[オッズ比(OR)= 0.40、P < 0.0001]であり、また、経時的な臓器不全評価(SOFA)スコアの投与7日目でのベースラインからの減少は、各々0ポイントと1ポイント(OR = 0.63、P = 0.004)であった。28日目の死亡率は低下し(ハザード比= 0.45、P = 0.045)、また入院滞在日数も短縮された。

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