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貧血:低・中所得国での生殖可能年齢の女性の2000~2018年の貧血有病率

Nature Medicine 27, 10 doi: 10.1038/s41591-021-01498-0

貧血は世界中で女性に広く見られる疾患で、世界的に経済的生産性の低下や死亡率の上昇に関連している。本論文では、82の低・中所得国(LMIC)の生殖可能年齢(15~49歳)の女性の貧血有病率の推定値を2000~2018年にかけて年ごとに地理空間的にマッピングし、貧血を重症度によって層別化し、結果を政策関連行政単位レベルおよび国家レベルで集計した。さらに、これらの国の国内地域格差の解析を行い、国内の貧血有病率の不均衡について包括的な全体像を示し、世界保健機関の国際栄養目標(WHO GNT)に向けて2030年までに貧血を半減させるための進展を予測した。我々の結果から、全般的な貧血有病率は広範囲にわたって中程度の改善があることが示されたが、国家規模で2030年までにWHO GNTを達成する可能性が高いLMICは3か国しか見つからず、全ての国内行政単位でこの目標を達成すると予測されるLMICはなかった。我々の地図は、国内で大きな格差が生じている場所だけでなく、WHO GNTに達しないと予想される地域も示しているので、公衆衛生にとって精密な参考手段となり、最も脆弱な集団を標的として適切な資源配分とその後の介入を行うことを可能にするだろう。

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