Perspective

COVID-19:COVID-19時代におけるがん患者のケア

Nature Medicine 26, 5 doi: 10.1038/s41591-020-0874-8

COVID-19による現在のパンデミックによって、がん患者の通院や入院、そして治療が誘発する免疫に関連した合併症を大幅に減らしながら、がんの転帰を損なわないようにするために、がん治療の抜本的立て直しを行うという難問が腫瘍学関係者に突き付けられることになった。COVID-19は新規な疾患であり、科学的証拠に基づく指針は得られないことが多く、重大な決断を専門家の意見に基づいて下さなければならない。本稿では、Cancer Core Europeを構成する7つの総合がんセンターが、かつてない規模と速度でそのヘルスケアシステムを整理統合し、その運用をパンデミックに耐え得るもの、「パンデミック・プルーフ」とした経緯について、報告する。本稿ではまず、センター間に見られる多数の共通性だけでなく、センター間のローカルで重要な違いについても明らかにし、それらについて論じてから、COVID-19パンデミックに際して、がん治療を科学的根拠に基づいて改変していくのに欠かせない研究上の優先事項を指摘する。また、現在の状況がなぜ、抗がん剤レジメンの段階的縮小の効果を評価するための好機となるのか、その理由について論じる。このような縮小によって、もっと無駄が少なく、かつ毒性が低減した治療法の開発が促進されるかもしれない。連携という今回の経験を共有することによって、我々は活動を続けるためのロードマップを示し、患者に最善のケアを提供するのに不可欠なデータを生み出すために世界中の科学研究コミュニティーを結集することを目指している。

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