Letter

COVID-19:混み合い度とCOVID-19のエピデミックの形態

Nature Medicine 26, 12 doi: 10.1038/s41591-020-1104-0

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)は、世界中で公衆衛生システムの重荷となっており、医薬品を使わない大規模な介入が流行拡大を減速させるために実行されてきた。アウトブレイク(集団発生)の初期段階では、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の伝播の主な決定要因は武漢(中国)からの人の移動だった。しかし、カギとなる地理的要因が地方の流行の広がりに及ぼす影響についての経験的証拠はまだ得られていない。今回我々は、気候、都市化、介入の変化が果たす役割を調べるために、高分解能で得られた都市の空間変数を症例数データと共に解析した。COVID-19症例が短期間に集中する程度(流行の尖り度)は、人口の集約度と不均一性によってその形が強く影響を受けることが明らかになり、すなわち混み合った都市での流行は時間の経過とともに大きく広がりやすく、混み合っている都市はそれほど混み合っていない都市よりも総罹患率が高かった。流行の尖り度に観察された差異は、COVID-19のメタ集団モデルの1つ(空間的階層構造を明確に説明している)と整合している。我々は、今回の推定値と人の移動についての世界レベルでの包括的データを対にして、世界中の混み合い度の高い都市では流行がより長期にわたるだろうと予測している。

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