Brief Communication

がん治療:再発性や難治性の神経芽細胞腫患者における抗GD2 CAR-NKT細胞:中間解析

Nature Medicine 26, 11 doi: 10.1038/s41591-020-1074-2

Vα24インバリアントのナチュラルキラーT(NKT)細胞は、マウス腫瘍モデルでは強力な抗腫瘍特性を示し、がん患者では良好な転帰と関連している。しかし、ヒトではこのような細胞の数が少ないことが臨床への応用を妨げてきた。今回我々は、再発性や難治性の神経芽細胞腫の小児患者で行われた、GD2特異的キメラ抗原受容体(CAR)とインターロイキン15を共発現するように操作した自家NKT細胞の第1相用量漸増試験で、用量レベル1に登録された3人の患者全員からの中間結果を報告する(NCT03294954)。主要目的は安全性の評価、副次的目的は抗腫瘍応答の評価で、免疫応答の評価を追加目的とした。我々は、高純度のNKT細胞(平均値 ± s.d.;94.7 ± 3.8%)をex vivoで増殖させ、体表面積1平方メートル当たり3 × 106個のCAR-NKT細胞を、シクロホスファミド/フルダラビン(Cy/Flu)でリンパ球除去を行った状態の患者に投与した。グレード3~4の血液学的有害事象が生じたが、CAR-NKT細胞注入前であり、CAR-NKT細胞には用量制限毒性が見られなかったため、この有害事象はCy/Fluの投与が原因と考えられた。CAR-NKTはin vivoで増殖して腫瘍に局在し、1人の患者では骨転移病変の退縮を伴う客観的反応を引き起こした。これらの初期結果は、CAR-NKT細胞は臨床スケールに増殖させることが可能であり、がん患者の治療に安全に適用できることを示唆している。

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